「突然の事業承継から任せる経営へ 〜自走する組織と利益を生み出す環境経営〜」
高松第2・3・6・7支部、三木支部、中讃第2支部、環境経営委員会による7月合同例会が開催されました。報告者には、山梨住宅工業株式会社北原正倫氏をお招きしました。
テーマは「突然の事業承継から任せる経営へ」。北原氏は、父である先代社長の急逝により31歳で社長に就任。準備も覚悟もない中で経営を引き継ぎ、試行錯誤を重ねながら、トップダウン型から「自走する組織」への変革を進めてきた道のりを語りました。
注目すべきは労働組合が結成されてから気付きを得て、「任せる経営」へのシフトを行ってきた事です。課長・部長制度の再構築や、社員に選択肢を考えさせる訓練など、社員自身が考え行動する仕組みづくりを徹底。加えて、企業理念と10年計画を明文化し、将来を見据えた経営の土台を整えています。
また、環境経営にも積極的に取り組み、木材端材の再利用やCO₂削減、ゼロエミッションの維持、地元学校との協働など、地域と共にある持続可能な経営を実現されています。「羊飼い型のリーダー」と表現した北原氏は、「社員が自ら考え動く環境を整えるのが経営者の役割」とも語り、息子たちへの事業承継も視野に入れつつ、理念と仕組みの継承に注力している姿勢が印象的でした。
本例会は、事業承継・組織づくり・環境経営という多くの経営者に共通する課題に対し、大きな学びと刺激をもたらす時間となり、参加者からも、「任せる経営」へのシフトによって社員一人ひとりが主体的に動き始めた実体験や、経営理念・ビジョンの明文化が中長期的な企業成長にどう寄与するか、質問が寄せられました。
同時に、11月に香川県で開催される「青年経営者全国交流会in香川」にも大きく繋がるもので、持続可能な経営や次世代への継承というテーマは、全国の青年経営者にとっても極めて重要であり、今回の報告内容が今後の議論の良き土台となることが期待されます。
皆さんで、開催までに研鑽を積み上げ、新しい景色を魅せれる様に香川大会を盛り上げていきましょう！