香川同友会の「中小企業憲章」についての取り組み

開催日 主な内容
2004/4/1 同友かがわ2004年4月号特集にて「中小企業憲章とは」掲載(下記参照)
2004/5/27 「中小企業憲章勉強会」 
講師:瓜田 靖氏 中小企業家同友会全国協議会政策局長 参加者23名
 
2005/6/22 「日本を支える主役、それは中小企業」
〜社長、社員が人類史的使命感に燃える会社に〜
講師:瓜田 靖氏 中小企業家同友会全国協議会政策局長
2005/9/1 同友かがわ2005年9月号特集にて上記講演会骨子を掲載予定



1.日本経済に占める中小企業のシェアーをご存知ですか?


1)事業所数、会社数

・事業所数(612万社)のうち中小事業所は、607万社(2001年総務省「事業所・企業統計調査」)であり、99.2%を占めている。
・会社数ベースでは、中小企業は約160万社(99.2%)である。

2)社員数

・民間企業で働く人、5,468万人の79.9%、4,370万人が中小事業所で働いている。

3)法人税、源泉所得税、地方税等

・2001年の法人税総額、10兆8946億円に占める中小企業納付分(資本金1億円未満の法人企業が納付する法人税)は、3兆6010億円(33.1%)であった。
・2001年の源泉所得税総額、9兆4898億円に占める中小企業従業員納付分(資本金1億円未満の企業従業員が納付する源泉所得税)は3兆3380億円(35.2%)であった。
・地方税は、赤字企業であっても地方税では法人住民均等割り、固定資産税、事業所税等の税を年間4兆5千億円負担している。

4)中小企業と大企業の国の予算に占める比率

・2003年度の中小企業対策費は一般会計で1729億円、一般歳出に占める比率は0.36%、2004年度は1738億円(同0.36%)と最低水準を更新。1980年度には、2435億円(同0.79%)あった。
・地方自治体の中小企業対策支出は、商工費が5兆3689億円(2001年度決算額)であり、歳出額全体に占める割合は5.5%であった。しかも、商工費はそのほとんどが金融対策として都道府県の制度融資の貸付金(商工費の81.2%、2000年度)であり、予算を真水として使い切る補助金や行政費はわずかである。
・2004年度経済産業省予算案に占める中小企業対策費は、6.8%にしかならない。例えば、ほとんどが大企業にまわる産業技術関連予算だけで中小企業対策費(経産省)の4.8倍の6226億円。
・経産省だけでなく、国土交通省や厚生労働省、文部科学省等のプロジェクト、研究組合、補助金等の経路を通じて大企業へ流れる。
・りそな銀行一行に公的資金を2兆円も投入して救済する。りそなが政府管理下でリスクのある融資を減らすとになると中小企業は!
 
2.同友会のめざす「中小企業憲章」制定運動とは

1)中小企業憲章の背景と目的

・ヨーロッパ・EUでは2000年に、「欧州小企業憲章」を制定し、中小企業を軸とした経済政策・戦略がとられて実効をあげている。日本でも独自の憲章を制定して中小企業に対する国民の認識と経済政策を刷新し、中小企業の活性化による日本経済の新たな発展をめざす。
・金融アセス運動の取り組みの中で多くの成果が生み出され、「やればできる」を実感。もう一方では、中小企業を日本経済の中心的な柱に据える必要性も痛感した。この確信を基に、同友会の考え方や理念を地域や日本社会に広げる運動として取り組む意義がある。
 
3.なぜ「中小企業憲章」が必要なのか

1)日本経済の現在の客観情勢から要請されていること
・日本経済の閉塞状況を打開し、新たな成長軌道に乗せるための政策展望が強く望まれており、日本での新たな成長モデルづくり、日本経済の再生に多数の中小企業が活躍する「企業家社会」が有効であるとの認識が広がりつつある。
・地域経済を支える中小企業の役割を確認し、産業空洞化に対する行動プログラムを示す。
・憲章は中小企業に対する政策を経済政策の柱とする基本理念と基準を示す。

2)同友会が「憲章」を打ち出す根拠は何か―同友会運動の中から必要とされ、同友会理念を地域や日本社会に広げる運動として取り組める条件が広がっているー

・金融アセス運動の到達点と成果から「憲章」の必要性に対する認識が深まっている。
・国民や消費者の中小企業に対する認識を変えることの必要性を痛感している。
・同友会の政策活動が中小企業対策的な枠組みを乗り越え、政策の全体から見通す総合的な展開を求められている。
・各同友会での「新しい仕事づくり」や地域づくりが、新たなビジネスモデルや先進的な政策モデルとして中小企業の活路を展望する「憲章」の内実を実践で示している。
 
4.中小企業憲章の内容イメージはこんなもの

1)憲章の理念―新しい質の経済発展の担い手

・中小企業の地位と誇りある中小企業観の確立
・中小企業は日本経済の基盤を担い、国民生活と地域を草の根から支えてきたが、中小企業総体としては「脇役」に甘んじてきた。
・日本経済は、少子高齢化・人口減少に直面し、もはや従来型の経済成長を望むことはできない。今、量(大量生産・消費・廃棄、標準化)の時代から質(独自性、地域性、文化性、本質の追究)の時代へと転換しつつある。中小企業が日本経済の主役として個性と専門性を発揮し、国民生活に貢献することで、日本経済を持続可能な新しい成長に導いていくことが期待される。
・中小企業が日本経済で占める比重と社会的役割にふさわしい位置づけがなされ、大幅な予算を確保し、公正な競争ができる経営環境が求められる。また、高度な成熟経済に達した日本経済の位置取を活かし、アジア地域との共存共栄を図っていく努力も必要となる。
 
2)憲章に盛り込まれるべき政策構想の柱―中小企業が求める経済社会の構想

・日本経済が地球環境に配慮した持続可能な成長をめざす中で人間らしく豊かに暮らせる国民経済を充実させ、中小企業が国民とともに繁栄できる日本経済をめざすこと。
・大企業中心の産業政策ではなく、中小企業重視を産業政策の中軸に据え、取引・競争上の不利是正と不当な取引慣行の是正、健全な競争ルールが確立されること。権限と財源の地方への移譲を進め、地域のことは地域で自己決定できる仕組みに転換すること。
・企業の社会的責任を自覚し、健全な企業家精神を発揮して経営をしている中小企業の自助努力が生かされ、中小企業の自立的発展を促進するような経営環境を整備すること。
 
5.当面の活動計画

・当面は憲章の学習運動として取り組む。各同友会は、地域産業政策づくりの裏付けとなる「中小企業振興基本条例」の研究を進める。
・04年7月15日〜16日 中同協・第36 回定時総会(岡山)―中小企業憲章(案)の発表予定
・04年8月23日 中同協・第1 回常任幹事会―総会決定を受け、幹事会内に「中小企業憲章推進会議」(仮称)を設置し、運動推進の中核をつくる予定
  虫本 隆夫記 (同友かがわ2004年4月号より)

中小企業家同友会全国協議会「中小企業憲章サイト」http://www.doyu.jp/kensyou/


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