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第45回中小企業問題全国研究集会in神奈川 神奈川~香川にバトンが渡る!

去る3月5日~6日に開催された全国研究集会in神奈川に会員企業34名と共に参加してまいりました。中同協の3大行事は定時総会にしか参加したことが無く、来年の香川の全研に向けて一度は見ておきたいとの思いもあり、今回参加させていただきました。

【1日目、分科会報告での学び】

今回は18の分科会の中で、まだまだ自身の理解度が低い企業変革支援PGの取り組みについて学べる第8分科会を選びました。

テーマ:仕事を人生に!楽しく幸せな未来を創る~会社の未来と共に~

    ~全社員で企業変革支援プログラムを活用~

報告者:総合包装(株) 代表取締役 宮城 勇氏(沖縄同友会 理事・経営委員長)

創業から43年の会社で宮城氏は3代目社長。主に軟包装・食品トレー・包装機械の販売をされている。平成7年に、3つの目的に共感し同友会に入会して20年がたつ。

◎経営指針作成と浸透

入会の翌年経営指針作成合宿に参加して自社の経営指針書を作成。平成10年まだ常務だったころから経営指針書の社内浸透に取り組むが2年かかっても浸透とはほど遠く、まず幹部社員を巻き込んでみることに。最終的には毎週1回の朝礼で言い続け、全社員を巻き込んで経営指針書の更新をする(祝日に集合)ことでようやく社内に浸透してきたと感じられるまでに。平成22年からは幹部社員が経営指針合宿に参加するようになった。

また、自分(経営者)に対するプレッシャーとして取引先・銀行にも全てOPENにするスタイルの指針発表会を実施している。経営指針=経営者の決意表明。

◎定期採用とインターンシップ

8年前より経営委員長を拝命し、以降8年間の新卒者採用定着率92%(13名)。それまで定期採用の仕組みはなかったが、毎年採用し続けることに意味があると感じ、毎年1名以上の採用をし続けている。養護学校の先生から懇願され、インターンシップを受け入れた1名も採用。仕事を通じてしっかり成長を続けており、今では良い戦力となってくれている。インターンシップ受け入れをすることで、社員教育になり一石二鳥だということで、今では毎年依頼のあった全ての学校から(7校)受け入れている。

◎企業変革支援PGの活用

企業変革支援PGの活用は経営委員長という立場からまず自身が実施し、その後幹部社員に実施してもらい、最後に全社員で実施という形をとった。1年目は全社員の回答結果をグラフ化するところまで。2年目からは全員の結果を元に、重点課題を指針に入れるところにまでもっていった。比較してみると、2年目の方が結果が悪かったが、社員の評価がシビアになったものと解釈している。これまで6年間続けてきたものを比較すると、少しずつ大きくグラフ化されるようになっているのが目に見えて分かる。数字に一喜一憂するのではなく、前年から今年にかけて変えた取り組みなどを考え、なぜそういう結果になっているのか常に疑問符を持つことが何よりも大事。そこに企業変革のヒントがあると常に感じている。先取りは余裕を生むが先送りは焦りしか生まない。経営者の意思が肝心。

◎社内の雰囲気を良くするための取り組み

・学習する組織を作ろうと月1回17:00~19:00で共通項目で社員全員の学びの場を設ける

・朝礼でBDケーキのプレゼント

・月1回その月が誕生日の社員とその社員の家族・友人を招いてBDパーティーの開催

・感謝のメッセージを貼る掲示板を社内に設置し、悪口がなくなる仕組みづくり

 (ありがとうに注目していると悪の感情がなくなっていく)

・お客様(取引先)の為の講演会を年1回開催し、招待する

・内定を出した社員の所には必ず会員訪問に行き、悪いことも含め包み隠さず会社の歴史と仕事に対する経営者の想いをご家族に伝える。

・社員が仕事だけの人間にならず家族の事も大事にするように「人生計画シート」作成

会社で実現することと生活面で実現することをリンクさせることで、自分・会社・家族をじっくりみつめるきっかけ作り

・社員のたまり場づくり

4半期ごとに3千円/人の予算を渡し、部門毎に自由にレクリエーションをしてもらっている。皆の家族も連れてお客さんのところに沖縄そばを作りにいったり、お客様の新製品を全て購入し、社内で試食会をしたりとそれぞれが考えたイベントで心のつながりを深めている

・会社の改善活動に社員皆で取り組む

 会社内の不備(事務所のワックスがけや駐車場の線引きなど)を自分たちの手で直すことで、会社(建物)・モノへの愛着が生まれる。また、地域の掃除(会社回り・近くの海岸)も年に数回社員皆と実施している。

・継続することで習慣化できる仕組みづくり

 3日坊主を克服するため、毎日することを社内に貼りだし、それぞれが毎日自己評価で◯×を付けるようにしている。これまで7年続けたことで、習慣化され、家庭・社内でも自然と体が動く社員ばかりになってきている。

・経営指針発表会内で部門の取り組みに関して表彰式を行っている

・毎年同項目での評価制度を設けている。

 社員も社長も毎年同項目で同時期に評価を受けることで、昨年からどう成長したか検証できるしくみ

【1日目、分科会グループ討論での学び】

①「全員参加型の経営とはどういう経営か?」

・経営指針書の方針・計画部分の作成に全社員(幹部社員)が関わっている

・経営指針書は経営者が作るが、経営指針発表会で社員に発表した後に方針・計画の部分について社員ととことん意見を交わし、訂正しその日に変更点があれば皆で修正するようにしている。

・決算書を社員にOPENにしている。またオープンにしても内容が理解できなければ意味がないので、決算書が読めるように社内プチ勉強会を行っている

・物事を決めるのは社長の仕事だがそれから実際に落とし込んでいくところに社員が関わる。一つの目標に向かって共に話せる良い機会

②「経営者としてあなたは何を実践していますか?」

・社員が仕事をしやすくするために社員の要望を聞き、設備を整えるなど快適に働ける環境を作っていくことが経営者の仕事だと思ってやっている

・社員が何気なく言った一言に注目できるよう注意を払っている。経営者は聞き役に回るべきだと考え、出来るだけ聞き役に徹している。

・社外からの意見が一番吸い上げにくいので、お客様からクレームなどあれば全てクレーム表に記入し半年ごとに検証。社員の意見も吸い上げながら解決策を検討・実施。

【2日目、記念講演での学び】

テーマ:伝統と革新、100年企業の教訓

報告者:(株)崎陽軒 代表取締役社長 野並 直文氏(神奈川同友会会員)

【シウマイ誕生~全国区へ】

明治5年に横浜駅が開業し、崎陽軒は明治41年4月に駅弁屋として創業。しかし、東京から30分という距離のため、上りのお客さんは降りる準備をしていて弁当は買わず、下りのお客さんは東京駅で購入している為あまり弁当が売れない駅で、何か手はないかと創業者が考えた。静岡には「わさび漬け」小田原には「かまぼこ」といった名産品があることに着目し、横浜での名産品を探したが当時横浜には名産品と呼ばれるものが無かった。無いなら作ってしまおうと考え、今の中華街あたりに店を構えていた数点の中華店がいつも突出しとしてシウマイを出していたことをヒントに、シウマイに注目した。アツアツで美味しいシウマイを冷めてもおいしいものにしようと弁当屋でのノウハウと中華料理人に作ってもらった新しいレシピで昭和3年から販売開始。当時の職人は味付けを教えてくれなかったためそれに危機感を覚えた社員が、あらかじめ材料を全て計っておき、それで味付けをしてもらった後に再度計り、レシピを盗み取るという方法でレシピが会社のものとなった。煙草を販売していたピース娘からヒントを得て、それまで駅での販売員を男性がしていたのを女性に切り替え「シウマイ娘」と名付ける。そのことが話題を呼び、大きく新聞に掲載されたことで映画化までされ、崎陽軒の「シウマイ」が全国区に。昭和28年からはシウマイ弁当の発売を開始。シウマイが話題となり浸透してからの販売だったため発売開始と同時に人気商品に。今や横浜のご当地検定の問題として出題されるほど地元に愛され誇れる商品となっている。「横浜駅で最初から駅弁が売れていたら崎陽軒のシウマイは開発されなかっただろう」と野並氏。

崎陽軒の歴史から得られる教訓が6つある

①差別化・・・覚めてもウマい・小粒(電車の中で女性や子供でも一口で食べられる)

※大きさは変えていないが、小さくなったのでは?とクレームを受けることがある。これは、「おいしいからもっと食べたいと思ってくれているんだな」と解釈するようにしている

②ローカル色をテコ・・・地域の特性を色濃く出す

③ニッチ戦略

④ハンディキャップ・ピンチをバネに・・・駅弁の販売不振→シウマイの開発/ご飯を炊く際捨てるおこげがもったいない→蒸して米を炊く製法を独自であみだす。(結果的に差別化に)

⑤フリーパブリシティの活用・・・新聞テレビなど先方から取材したくなる仕掛け作り

(知恵が全て)また、商品だけでなく社員も出す。

⑥明確な事業範囲・・・身の丈に応じたことをする。全国展開も考えたが、

あくまでも地域ブランドとして生きる会社であろうという結論に至る。

【経営理念の作成と浸透】

平成2年、社長になる1年前に社長に呼ばれ1年後の交代に向けて準備するよう言われ、平成3年に取締役社長に就任。これまでなかった経営理念が必要だと感じを作成するも数年間は壁飾り状態で社内に浸透することはなかった。しかしある時、合同企業説明会でブースに座った学生に興味を持った理由を聞くと「経営理念に共感しました」と言われ、質問を投げかけた社員は経営理念が分からずあたふたする場面があった。それをきっかけに、「掲げた経営理念は社内に浸透させていかないといけない」と感じ、朝礼で話すなどして働きかけ続けた。浸透への働きかけを続けているうちに、最初に作った経営理念は自分の想いを詰め込みすぎていてよく分からないからシンプルにしたいという想いが出てきたが、後手後手に回り着手できないまま100周年を迎えることに。その際、社員から頼まれ「100周年宣言」を出すことになり、結果的にそれが今の経営理念となっている。

<平成21年1月1日~の経営理念>

・崎陽軒はナショナルブランドをめざしません。真に優れた「ローカルブランド」をめざします。(※大分県の平松元知事の一村一品運動に注目し、話を聞きに行ったときの「真にローカルなものがインターナショナルになりうる」という言葉から)

・崎陽軒が作るものはシウマイや料理だけではありません。常に挑戦し「名物名所」を創りつづけます。

・崎陽軒は皆さまのお腹だけを満たしません。食をとおして「心」も満たすことをめざします。

経営理念を掲げ、浸透させたことで経営理念が原因で辞める社員が出てきた。経営理念はこっちに行く!という方向性を明確に示すものなので商品開発部門でコンビニ弁当のように流行の最先端でバライティに富んだラインナップを数多く生み出したいと思って仕事をしている社員などは自社から離れて行った。同じ思いを社員が共有することで皆の方向性が定まっていったのは結果的にプラスになっている。

昔、ある旅行会社の担当者が工場見学受け入れの打診をしてきたことがあった。当時は見学者が通れるスペースもない工場でお断りしたが、数年後工場拡張時にその言葉を思い出し、見学通路を設置。平成15年3月~工場見学も受け入れている。最初は「私たちは見世物じゃない!」と大反対していた社員も、見学者の表情を見たり購買所で直接末端のお客様と接することで誇りを持って工場で勤務してくれるようになった。

【様々な危機を乗り越えて】

順調に成功をおさめてきたと思われる崎陽軒も様々な危機を乗り越えてきた。一番直近の事件はJAS法違反。ちょうど8年前食品の偽装などが世間で叫ばれるようになり、ある日の社内会議で「うちは大丈夫だろうな」と確認してみたところ、表示の順番にミスがある可能性が発覚。すぐに詳しく調べた結果間違いが発覚し、即全店舗からの回収を始め農水省に相談(説明)に行くことにしたが、先にマスコミが報道をはじめ立ち入り調査に入られることに。世間でちょうど話題となっていた案件だったため各社に大きく報道されたが、一部の新聞は社内調査に至った経緯とその後の誠実な対応を擁護してくれる記事もでた。経営者にとって危機管理というのはとても重要な仕事だと野並氏。下記の6つが野並氏が危機管理として大事にしていることだという。

①負けっぷりを良くする

②最悪の事態を想定して対応する

 ※多くの経営者が最良の事態を想定して対応している

③内部告発されることを前提に動く

 ※内部告発する社員が悪いのではない

④専門家に相談する

⑤対策本部を設置し対応はトップダウンにする

 ※経営者が責任をとる

⑥文章を出す時には十分に気を配る

 ※一言一句丁寧にチェックしておかないと上げ足をとられて大惨事になりかねない

【名物・地域ブランド】

名物とは、個性的でマネの出来ない独創性とお客様本位で安くて美味しくてサービスが良い普遍性、地域(横浜)らしさと会社(崎陽軒)らしさの地域性・文化性のすべてを兼ね備えた真ん中にあるものである。お土産として有名だと思われがちな崎陽軒だが横浜では「運動会=崎陽軒のシウマイ弁当」という地位も確立している。(雨天中止や延期の場合の当日キャンセル料がかからないことが功を奏して根付いた)地域ブランドとなるためには、その地域限定でその地域の誇りであること、地域の文化・風土と一体となっていること、安心安全が見えるように分かること、地域の価値を引き立てること、地域の人たちが日常的に消費することのすべてが必要だと考え、地域ブランドとなり続けることを目標に日々社業に取り組んでいる。

最後に経営者として欠かせないものは変えるべきものを変える勇気、変えてはならないものを変えない包容力、そしてそれを見分ける英知(※コストを抑えるなどを考えた時変えやすいものを変えてしまうことがよくあるがそれは間違っている。変えにくいものを変えるのは難しいがその正しい判断こそが企業にとって大事な事)だとラインホールド・ニーパーの祈りの言葉で締めくくられました。

【広浜幹事長のまとめ】

今回の全研からの学びで是非持ち帰って自社で、各地同友会で考え実践して欲しいと3つが挙げられた。

1、経営理念の重要性の再認識

2、人を生かす経営の機会損失をしていないか?

  ①社員が自分の仕事の目的を明確に理解していない

  ②適正な役割分担が出来ていない

   →入社当時の能力ではなく成長した彼・彼女に適した仕事を任せているか?

  ③皆が前向きな訳では無い。引っかかっているものがある

3、日本・地域の目指す未来と同友会運動の意義

経営者が自らを律すること=使命感 をもって今後の経営・同友会運動に取り組んでほしいとのメッセージでまとめとなった。

【全体からの学び】

 広浜幹事長のまとめでもお話しされたが、「経営指針」に沿った全社一丸経営が今回の共通の学びとなった。皆で作り上げる方もいれば、幹部と創る方、経営者が作成して発表会で公表したのちに社員ととことん意見交換をして変更点があればその日に変更するという方もいらっしゃったが、共通して言えるのはそれがしっかりと会社の方向性を示すものになっていることと、それを全社員が認識して日々の業務に取り組んでいること。方向性が定まれば社員の自主性が高まり、それぞれの個性や能力が明確化され、適材適所に配置(人を生かす経営)が出来るようになる。そうなれば、社員が考えるレクリエーションでさえ単にバカ騒ぎをするのではなく楽しくてかつ業務に役立つような内容に変わってくる。共通認識がもたらす無限の力と可能性を感じ、事務局でもこれまで以上に経営指針書の深堀をしていく必要があると感じた。

また、分科会の報告でも基調講演でも共通して出てきた言葉が、「自身が、自社が、社員が「ゆでガエル」になっていないか?」という言葉だった。熱いお湯にイキナリ入るとすぐにわかるが、心地よい湯の中に入っていると徐々に熱されてもしばらく気づかず、気づいた時には手遅れであるということのたとえだが、自社や自分の考えだけに固執していると周りの変化に取り残され、時代についていく事が出来ないまま経営危機に陥るということだ。今の事務局はどうか、今の香川同友会はどうかと考えさせられるキーワードとなった。来年の全研開催に向けての香川同友会の変革が「ゆでガエル」にならない為の大きな一歩となるよう働きかけていきたい。

来年はこの盛大な全国大会が香川県で開催されます!

2016年2月18日(木)~19日(金) 是非今からご予定いただき、全国の中小企業経営者と学びあいましょう!

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