経営指針確立の運動

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広報委員会発行「DOYUメルネット」具体的経営改善の手順(毎月1・15日発信)

執筆者 立川 敦史(中小企業診断士)

(株)香川銀行融資部経営改善室  URL:http://www.kagawabank.co.jp/
〒760-8576 香川県高松市亀井町6番地1 TEL:087-812-5140 FAX:087-831-9581

「DOYUメルネット第55号」  2004.2.16

みなさんはじめまして、香川銀行融資部経営改善室の立川と申します。
今回より、中小企業家同友会様のメールマガジンに掲載をさせていただくことになりました。みなさまに役立つ掲載をこころがけるつもりでおりますので、宜しくお願いします。

さて、私が現在勤務している部署は、経営改善を支援する仕事をしております。具体的には、取引先企業様の財務分析をし、企業の課題を抽出し、具体的な改善提案をさせていただいております。そして取引先様と共同歩調を取りながら、企業業績の回復と資産・負債構成の改善などのお手伝いをさせていただいております。

今、多くの企業は資産デフレが急速に進む経済情勢の中、企業が過去に投資した案件や資産が、何らかの理由で価値を失い、結果借入金のみが残り、その返済負担を埋め合わせる売上や、利益が長期にわたる景気低迷や、環境の変化によって確保できない状況にあります。銀行として取引先企業様に提出頂く過去の数字を批評するだけでは、地域の皆様と共存・共栄を目指す私たちとしては、不十分であり、現在、そしてこれからどうするかという事について積極的に関ってサポートしていこうと考えたのが、私の所属する部門が作られた理由です。

次回以降成功例をもとに、1.経営改善の手順、2.具体的な作業、3.必要となる考え方、4.日々の経営に役立つ知識などを具体的に紹介していきたいと思います。今後とも宜しくお願いします。

「DOYUメルネット第56号」  2004.3.1

具体的経営改善の手順その1

◆ 経営改善への取組みステップとしては6段階程度ありますが、今回は第一段階「自社の現状を正しく認識する」について取上げます。現状の認識方法としては決算報告書より得られる財務分析、SWOT分析「外部環境(機会と脅威)、内部環境(自社の強みや弱み)」という手法による自社分析等がありますが、このステップで重要な点は、具体的な問題点に気づき即行動をおこせるかどうかにあります。ほとんどの経営者は自社を十分に理解している“つもり”ではないでしょうか?日常の業務に追われ、自社をじっくりと分析する時間は無いかも知れませんが、試算表、決算書等により現状の課題を抽出し、改善策・経営方針・経営戦略を構築し実行に移していくことが、経営者の本来の仕事です。

◆ 次に認識するのも社長だけでは十分ではありません。私どもが携わった事例では、社長の了解のもと従業員に会社の現状を率直に公表しただけで、大きく変化した事例がありました。つまり経営者だけ現状を認識しても、企業はなかなか変わりません。利益を生み出す従業員が状況を理解し、明確な目標を経営者と共有できると大きく会社は変革します。この事例のように正しく認識することへの近道として第三者を上手に活用するのも経営者の手腕かもしれません。

◆ 次回は決算書、試算表を理解(活用)するというテーマでお届けします。

「DOYUメルネット第57号」  2004.3.15

具体的経営改善の手順その2

◆ 経営改善への取組ステップの第2段階として、「自社の決算書、試算表を理解 ・活用する」について述べていきます。決算書・試算表とは、過去の経営実績 や現在の状態を表すものであり、今後経営者がどのような意思決定をすべきかを数値で表しています。

◆ 経営者の方とお話させて頂く中で「決算書を見てもわからない」等のご意見を 良くお伺いします。しかし、日々会社を経営していく中で、決算書に表れる数 字は日々の業務の集積であり、お金に換算した成績表でもあります。 また運転に例えると、速度計や油圧計、燃料計の類であり、決算書の見方がわ からないという事は、メーターが何を示しているのかを知らないまま走行して いる状態と言い換えることができます。

◆ 財務分析で重要なポイントは、売上高総利益率、売上高営業利益率、 売上高販売管理比率、自己資本比率および資金繰り(キャッシュフロー)です。 業界平均値や近隣他社と比較することや時系列で比較してみることが問題を明 らかにしてくれます。詳細な財務分析は専門家や銀行員を上手に使い分けることをおすすめします。専門家との対話や相談を通じて独自の操縦法・活用法を確立していくのが良い方法ではないでしょうか。

◆ 次回は決算書と各比率の相関関係について述べてみたいと思います。

「DOYUメルネット第58号」  2004.4.1

具体的経営改善の手順その3

◆ 自社の決算書を見る上で多くの方は「儲かったか(黒字)・儲かっていないか(赤字)」という視点で決算書を見られているかもしれません。決算書を見るポイントは、収益、費用、効率、安全性、資金繰りです。すべてが密接に関連し、決算書を作り上げています。

◆ 収益、費用の関連付けは、過去の経験則から、会得されていると思いますので割愛させて頂きますが、収益の積上げと費用の削減が結果として自社の経営安全性を高め、効率的な経営になり、資金繰りを安定させるという好循環なサイクルを描きます。

収益性

効率性

安全性

成長性

売上高総利益率

売掛債権回転期間

当座比率

総資本経常利益率

売上高販売管理費比率

買入債務回転期間

流動比率

売上高増加率

売上高営業利益率

棚卸債権回転期間

固定比率

 

売上高経常利益率

 

固定長期適合率

 

 

 

自己資本比率

 

上記の各比率を最低限必要な経営指標と位置づけ、ベンチマーク(同業他社比較)、時系列(3年程度)等の比較をし、比率での検証をして下さい。自社のポジションが明確になり、結果、経営の意思決定を見誤る事態を避ける手立てとなります。

◆ 上記表の中で、一番大事な経営比率は総資本経常利益率で、経常利益/総資本の計算式で求められますが、この指標が示すものは投資(総資本)に対するリターンを表す指標です。この指標が悪いという事は、会社が持つ資産が有効に収益に繋がっていない事を示しています。設備投資が先行し、当初計画通りの収益を生み出していない会社が典型的な例です。

◆ 次回は上記の4項目のうち収益性の比率の中から、読み解く自社の問題点について述べてみたいと思います。

「DOYUメルネット第59号」  2004.4.15

具体的経営改善の手順その4

◆ 今回は決算書の収益性の中から読み解く自社の問題点について述べていきます。収益性を見る上でまず注目するのは、多くの方は粗利という表現を使う、売上高-売上原価=売上総利益、そして売上総利益÷売上高=売上総利益率(粗利率)という指標です。収益を確保する上で一番重要な比率となります。売上総利益率を上昇させる秘訣は仕入原価(製造原価)を正確に把握することです。

◆ また売上高販売管理費比率(販売管理費÷売上高)もコントロールすることは十分可能です。まず、考え方として前年決算の各販売管理費の勘定科目を、支払い先(個社)別に年間の総支払額を確定させます。後は、要るもの、要らないものに振りわけ、要るものについては入札方式により各業者から見積もりを取ります。当然値段の安いところから仕入れる方法をとります。

◆ そして、この価格をもとに年間の販売管理費を予算化し、試算表で進捗チェックをすることで予算/実績管理の仕組みを確立すれば収益確保の仕組み作りは概ね完了です。後は、誰が管理、チェックし、継続してやっていくかの問題になります。(簡単な雛形がご入用の方はご連絡下さい。)

◆ 収益や利益率は管理する仕組みを確立することにより必ず確保(コントロール)できるものです。この方法を自社の中で仕組みとして確立している会社が、不況の中でも収益を上げている会社です。まず自社にあった管理体制仕組み作りを検討してみてください。

◆ 次回は効率性の比率の中から、読み解く自社の問題点について述べてみたいと思います。

「DOYUメルネット第60号」  2004.5.1

具体的経営改善の手順その5

◆ 今回は決算書の効率性の中から読み解く自社の問題点について述べていきます。効率性は、回転率、回転期間という単位を使用し、各勘定科目をいかに効率的に使用しているかを指標として利用します。経営資本回転率、自己資本回転率、固定資産回転率等があります。見慣れない言葉でなかなか理解しにくいかも知れませんが、例えて言うと、車のタイヤの回転数が上がれば、速度(効率)は速く(良くなる)なるという感じです。

◆ 各回転率の計算式は、売上高金額÷各勘定科目金額となります。売上高を確保するために、各勘定科目を如何に利用しているかを見るものです。

◆ 具体的に話をしますと、売上債権回転率と、買入債務回転率を考えるときに、売上債権の回転率が高いということは、商品を販売し、現金化できるのが早いということになり、買入債務回転率が高いということは、手許(てもと)流動性が厚く、支払い余力があり、結果安全性が高いという見方ができます。

◆ これを数字で表すと、

売上高

売上債権金額

回転率(回)

100.000千円

20.000千円

5.0回

売上高

買入債務金額

回転率(回)

100.000千円

25.000千円

4.0回

売上債権回転率5.0回、買入債務回転率4.0回の場合、5.0回-4.0回=1.0回この状態であれば売上回収の期間が短く、支払い期間が長いため、結果として運転資金がいらない会社(銀行借入しなくていい)ということになり、支払金利の負担が減り安全性は向上します。代表的な業種として、飲食業、スーパー等の小売店が代表的な例です。

◆ バブル経済が崩壊した今、量より質の時代になっています。如何に自社の保有する経営資源(人・物・金・情報・時間)を効率的に利用するかが、これからの経営のポイントになります。

◆ 次回は安全性の比率の中から、読み解く自社の問題点について述べてみたいと思います。

「DOYUメルネット第61号」  2004.5.17

具体的経営改善の手順その6

◆ 今回は決算書の安全性比率の中から読み解く自社の問題点について述べていきます。安全性比率には、当座比率、流動比率、固定比率、固定長期適合率、自己資本比率等があり、下記の数式で求めることができます。
当座比率=当座資産÷流動負債  固定比率=固定資産÷資本
流動比率=流動資産÷流動負債  固定長期適合率=固定資産÷(資本+固定負債)
自己資本比率=資本÷総資産

◆ 当座比率、流動比率は企業の短期支払能力を見る比率です。この比率は100%以上が望ましいと一般に言われています。

◆ 固定比率、固定長期適合率は企業の固定資産の調達方法(自己資金か、他人資本か)を見る指標でこれは100%以下が望ましいと一般的に言われています。

◆ 最後に自己資本比率は企業の安全性を見る上で非常に重要な指標になります。自己資本比率が40%を超えると、企業の安全性は飛躍的に増し、資金繰りを含め安定推移すると言われています。

◆ これらの安全性指標に異常値が現れることは経営状態の悪化を示しており、必ず何らかのシグナルを発しています。このシグナルに早い対応をしていくこと、またシグナルに早く気付く社内の管理体制を構築することが、今経営者に求められていることだと思います。

◆ 次回は成長性の比率の中から、読み解く自社の問題点について述べてみたいと思います。

「DOYUメルネット第62号」  2004.6.1

具体的経営改善の手順その7

◆ 今回は決算書の成長性比率の中から読み解く自社の問題点について述べていきます。成長性比率には、総資本経常利益率、売上高増加率等があり、下記の数式で求めることができます。
総資本経常利益率=経常利益÷総資本
売上高増加率=(今期売上高÷前期売上高)×100-100

◆ 総資本経常利益率は、企業の成長性を見る上で非常に重要な数字となります。自社の得られる、経常的な収益が、投下した資本を利用して何% リターン(収益)を生み出したかを見る指標になります。業界平均により平均的な指標は変わりますが、自社と業界平均を比較し、今後の対策を立てる必要があります。

◆ 売上高増加率は、自社の収益の源である、売上高がどのように推移しているかを見る指標であり、一番経営者にとって理解しやすい指標であると言えます。売上高の増加は収益を増加する上で必要不可欠な指標ですが、売上総利益率とのバランスは崩しては、売上を増加させる意味はありません。適正な利潤の取れる、売上の確保、増加が必要となります。

◆ 過去3回に分けて、自社の決算書より読み解くポイントを説明してまいりました。経営者として最低限理解していただきたい指標をご紹介させていただきました。今後はこの指標は銀行員もよくみている指標であり、指標の良化が銀行との借入交渉をスムーズにしていくものであると思います。

◆ 次回は実際に私が担当させていただいている企業再生の実際を具体的にご紹介させていただきます。

「DOYUメルネット第63号」  2004.6.15

具体的経営改善の手順その8

◆ 前回までは決算書から読み解く自社の問題点について銀行員はここを見ているという視点で述べさせてもらいました。今回より現在私が担当している企業の実際について数回に分けて述べていきます。

◆ まず、経営改善を進めるうえで重要なポイントは、1.決算書、2.事業内容、3.経営者の考え方の3つです。問題点を決算書より読み解き、その問題点を具体的に解決するために経営者がリーダーシップを発揮して取組できれば、ほとんどの企業は快方に向かいます。

◆ ところが自らが自社の現状を正確に認識し、改善活動に行動を移すことは、一見簡単にみえることですが意外と難しいものです。動かしようのない真実は行動の源になりますが、真実を受け入れるのを時として理性や感情が邪魔します。病気や怪我を治す場合に、病院に行き現状を正確に認識し予防や手当を行い、またその過程で原因を理解し再発を防ぐように、事実の把握そしてチェック機能や相談者として外部の人間や機関を活用するのが有効かもしれません。

◆ 私の部門では経営改善の手順として、経営改善計画書を作成します。そこで経営者と十分に話し合う機会を持ち、具体的数値を用いながら現状の問題点や解決策を検討していきます。上手くいくケースではこの作業を進めていく中で経営者が問題点に気づき、具体的行動を自発的に行うようになります。私たちが実際に行う90%は気づいてもらうことにあるといっても過言ではありません。

◆ 次回は問題点に気づいた経営者の行動について、ご紹介させていただきます。

「DOYUメルネット第64号」  2004.7.1

具体的経営改善の手順その9

◆ 現在、私は香川県内を中心に経営改善のお手伝いをさせて頂いております。小売業、建設業、建築・石材業、製品メーカー、ホテル業等が中心ですが、担当先に共通することは、業歴30年以上の老舗企業であるということです。今回はその中のある会社の経営改善のケースを紹介します。

◆ まず代表者と経営改善の必要性について理解と認識をいただき改善活動に着手しました。次に無料で商圏分析、来店客調査、店舗レイアウト調査等の企業診断と財務分析に出てこない定性面の調査を行い、その結果をもとに次のような改善ポイントと改善策を指導・助言致しました。

◆ <改善のポイント>(1)売上確保策(2)販売管理費の削減(3)部門別損益計算書作成による不採算部門の廃止
<改善策>(1)販売先の新規開拓(2)販売管理費10%削減(3)遊休不動産売却による有利子負債の圧縮

◆ 短期間で簡単に改善が進むというわけにはいきませんが、当社の努力もあって徐々に改善の効果が出始めているようです。次回は企業診断における調査ポイント、改善の考え方をご紹介させて頂きます。

「DOYUメルネット第65号」  2004.7.15

具体的経営改善の手順その10

◆ 「自社の持つ製品、サービスを誰が顧客となり購買してくれるのか?」現在当室は中小企業診断士が3名在籍し、対象企業先へ無料で企業診断を行っております。調査の第1ポイントは、診断先企業の収益モデルを検証することです。

◆ 検証する際には下記のような観点で診ていきます。
・自社の製品・サービスが消費者ニーズのあるものであるか?
・誰に販売するのか?
・ターゲットが絞り込まれているか?
・どこで販売するのか?
・どのように(販売形態)販売するのか?
・その販売形態は適正か?
・販売促進策は適正か?
・価格設定は適正か?
・価格設定の根拠はあるか?
・競合他社の状況は?
・類似製品の脅威は?
・店舗販売におけるビジュアル化(顧客への印象度)はできているか?

◆ 良い製品・サービスがあっても、ターゲットが明確に絞り込まれていないと、販売戦略が曖昧になり、広告宣伝の戦略も方向性が違ったものになり、無駄なものになります。また診断の現場では「過去においては従来からの収益モデルでOKだった。しかし現在は?」というケースが目立ちます。上記のポイントを自社の製品に置き換えて、「誰に」、「何を」、「どのようにして」、「いくらの価格で」販売するのかを再度見直してみてはいかがでしょうか?

◆ 当行も売上増加についてはセミナー等の開催、専門家による個別相談も無料でしております。お気軽にお近くの本・支店へお問い合わせ下さい。

◆ 次回は売上原価、販売管理費の削減方法(考え方)についてご紹介させて頂きます。

「DOYUメルネット第66号」  2004.8.2

具体的経営改善の手順その11

◆ 消費者へ財・サービスの提供をすることが商売であり、収益の入り口である、売上総利益、営業利益を獲得するためには、売上拡大が容易でない昨今においては売上原価、販売管理費を縮小させることが優先されます。

◆ 商品・製品を販売するために、製品・商品・原材料を仕入ますが、この作業は自社が能動的に選択・決定できるものであり、まずこの作業を優先して見なおすべきです。

◆ 売上原価、販売管理費を削減するポイントとしては、
1)仕入先毎に年間の支払額を算出します。
2)仕入先へ仕入単価の交渉を行います。(現状の値段は過去の流れから値段の見直し等行っていない可能性があります。)
3)同一品目について相見積もりを取り、既存取引先、新規取引先との値決め交渉を行います。(その際物の底値がどの程度か、市場の値段、相場等の情報を仕入れる。)
4)見積もりは、項目を必ず細分化すること。(一式○○○円という見積もりは駄目な見積もりです)
5)金額の少ないものについては、いるもの・いらないものに分け、購入の必要性を検討する。

◆ 上記5点を仕入先毎に検討する必要があります。手間隙のかかる作業ですが、費用の削減=収益の増加(副次効果として、競争力の向上、品質の改善が得られます。)という図式ですので、手間隙をかけて早急に検討してみて下さい。削減作業のフォームが必要な方は、ご連絡ください。

◆ 次回は経営改善の流れ、改善ポイント、手法をご紹介させて頂きます。

「DOYUメルネット第67号」  2004.8.17

具体的経営改善の手順その12

◆ 経営改善と言う言葉は経営者の方にとっては、あまり耳に入れたくない言葉かも知れません。しかし「KAIZEN(改善)」という言葉は今日、企業経営における世界的な共通語になっています。今回は企業診断をさせていただくときの見るべきポイント、考え方を述べさせて頂きます。

◆ 企業を分析するために、私どもが利用する手法として、SWOT分析を使います。SWOT分析は、競合他社との違いを明確にし、独自の企業競争力を確立させることと、重要成功要因を生み出すために行う分析手法です。このときに企業理念、ビジョンも明確にする必要があります。

◆ 自社の内部要因を強み(Strengths),弱み(Weaknesses)に、外部環境要因を機会(Opportunities)脅威(Threats)としてS・W・O・Tごとに分類し、自社の特長を明確にします。下記のフレームワークを利用し記入していきます。

S(強み)


W(弱み)


O(機会)


T(脅威)


◆ まずは、自社が今の事業で何を強みとして、生き残っていくかを分析します。この部分が明確になっていないと、改善のための方向性がずれてしまいうまくいくものもいかなくなります。まずはこのフレームワークを利用し自社の経営資源を明文化してください。

◆ 次回は方向性が確定した後の、見るべきポイント、手法をご紹介させて頂きます。

「DOYUメルネット第68号」  2004.9.1

具体的経営改善の手順その13

◆ 「なんとなく儲かった」という時代は終わり、「利潤は確保する」時代となりました。現在の企業経営は、明確な経営理念とビジョン、それを実践するための管理体制と手法の構築、そして消費者のニーズを的確に把握し、適正な利潤を確保する仕組を自社で確立する必要があります。

◆ その方策として前回説明したSWOT分析を使って導き出した自社の進むべき方向性を確認し、改善するための具体策を検討します。自社の強みはより強く、弱みをどう克服していくかです。

◆ SWOT分析の内部要因は、管理可能な要因の集合体です。内部要因の弱みの部分を抽出し、なぜ弱みとなっているかの原因を分析し、弱みを克服するためにどのような管理体制を構築するかを検討します。

◆ 分析と検討は自社で行うべきであり、このプロセスが自社の人的な成長や気づきを促進させます。ただし、その途上では外部の方に診てもらうことをお薦めします。意外と自分の姿や状況(強み弱み)は見えていないことが多いのです。知っていると思い込んでいる所に落とし穴があったり、思わぬ解決策が潜んでいることが良くあります。

◆ 次回の掲載で最後になりますが、改善の実態について紹介させて頂きます。

「DOYUメルネット第69号」 2004.9.15

具体的経営改善の手順その14

◆ 現在は右肩上がりの成長期におけるプロダクトアウト的な販売形態(作れば売れる時代)から、モノ余りの豊かな時代となり消費者の購買意欲を景気任せにするのではなく、マーケットイン(顧客のニーズに合わせた商品開発)的な発想への転換が求められています。そのニーズを的確に掴み、営業施策と管理体制を確立した企業が今は勝組と言われています。そしてそのニーズへの対応は決して大きな投資を要するものばかりではなく、むしろ自社内外での連係や協同など仕組み作りを地道に行い改善完成させた企業や個人が多いのも特徴です。

◆ 経営者が自社の悪化要因を漠然とした社会情勢や外部環境を要因としている限り、会社の改善は遠のいていきます。経営改善をすすめるには、決算書に基づく現状分析を精確に行い、具体的に何が悪いか?(例えば外部環境でも、自社の主要販売先の業況が悪く利益を確保できないのか、またそうだとした場合にその販売先の顧客や購買者は環境や行動にどのような変化がおきているのか?その要因分析と将来予測をもとに対応策を検討する等)という見方をする必要があります。

◆ 当行が、改善支援先として担当させていただいている企業様で、業況回復されている会社がありますが、成功要因は①経営者の意識改革②全従業員への情報開示③役職員挙げての改善意識の高揚が成功要因になります。そして代表者の強い意志と行動力(改善活動)が必須条件です。「経営改善の入り口は財務、出口は人」と言う言葉がありますようにやはり人が企業を創ります。

◆ 半年間にわたり中小企業家同友会様のメールマガジンへの掲載をさせていただきありがとうございました。今回を持って、私の掲載を終了させて頂きます。これまで紹介してきた手法や視点が、皆様方の今後のご活躍の一助になることを祈願しております。また、改善をすすめる場合に違う角度・立場からのアドバイザーや進捗のチエック役として私どもをご活用いただければ誠に幸いです。経営改善の途上ご不明な点がありましたら、お気軽にお声をかけてください。本当にありがとうございました。